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― 100歳のおばあちゃん ―
 2003年9月15日、敬老の日、兵庫県の宝塚にある祖母の家に親戚一同が大集合しました。そう、昨年、「白寿」(99歳)のお祝いをすませたわたしたちのおばあちゃんが、なんと、ついに100歳のお祝いを迎え、市長さんの表敬訪問を受けることになったのです。それにしても、100年を元気に生きぬくというのは、本当にすごいことだと思います。私たちの自慢のおばあちゃんを、みなさんにご紹介したいと思います。

 14日の夜は、おばあちゃんの家に孫やひ孫が30人近く大集合し、お庭でバーベキューを楽しみました。そして、いつのまにか、おじさん、おばさんになってしまったいとこたちと、楽しく飲み明かしました。
そして翌15日(敬老の日)は、宝塚市長の表敬訪問の儀式が行われました。おばあちゃんは胸元にかわいいコサージュのついた薄いグレーのワンピースをおしゃれに着こなして、しっかり挨拶をしていました。
 「本当に、すべてがありがたいんです。いやなことはひとつもありませんの。私みたいな幸せ者はいませんわ」
 そういって、満面の笑みを称えていました。

 おばあちゃんの顔を見ているだけで、みんなの顔もほころびます。
 100年生きてきたからこその笑顔……、若い者にはまだまだ真似はできません。

<100歳のお祝い会を終えた綾子おばあちゃんからの挨拶文>
夕暮れどき、涼しい風が立つとホッと息をつく日々。お元気でいらっしゃいますか。
昨年6月には私、綾子の白寿の祝を皆様方に遠方よりご来訪いただきまして、有難うございました。
お陰様で本日、9月15日敬老の日、雲雀ケ丘の自宅にて宝塚市長のお祝いの御挨拶を受け、なにか年寄りになった気がいたします。
この紅葉は、私(綾子)が米寿祝に庭に種を植えたものでございます。紅く色づく頃、10月2日の誕生日で101歳になります。
ぼつぼつ老後のことを考え、貯金をせねばならぬ歳かなと思います。
私の葬儀の日時を自分ではお知らせできませんので、100歳記念の写真をお送りさせていただきます。
息子も嫁も娘も孫もひ孫も皆、優しくて幸せな100年間でございました。
あなた様も私の歳まではお元気でご自愛くださいませ。

明治36年10月2日生まれ 佐野綾子

 *手紙には、紅葉の葉っぱが貼り付けてありました。
 おばあちゃんからのお手紙を読むと、なんだか元気が出てきます!
 人生、まだまだこれからですね(孫娘の三佳)

© 柳原 三佳