― 車載カメラが見た”ドッキリ映像 ―
 警視庁時代、パトカーに乗務し、暴走族の取締りなどに力を注いでおられた犀川博正氏は、現職時代からパトカーにビデオを設置し、暴走族の追跡映像を撮影しておられたそうです。そして、そのノウハウは今も生かされ、日常の走行を常時撮影記録しておられます。
ここでは、犀川氏から送られてきた「ドッキリニアミス映像」を随時ご紹介します。これを見ると、たとえ信号が青でも、優先道路でも、細心の注意が必要であることがよ〜くわかりますね。
犀川氏の愛車に取り付けられた車載カメラの様子と取り付け方について、犀川氏より写真とコメントを頂きました。
写真(右)は、車載カメラの取付け状況です。取り付け方は非常に簡単です。
  1. ゴムやスポンジを削ってダッシュボードの上に両面テープで貼り付けます。
  2. 同じように、SV-AV10を両面テープでゴムの上に貼り付けます。
  3. シガーライターから100ボルトの電源を取り、SV-AV10に付属しているACアダプターを接続します。
  4. ACアダプターのケーブルをカメラに差し込みます。

まず、カメラをダッシュボードに貼り付ける(右:取付け状況拡大写真)。それを実行してみることが大切です。とにかくそれだけで2時間48分の連続撮影が可能になります。最初に100パーセント完全な撮影方法を目指してはいけません。
そのあとでカメラの感度を上げることや、カメラの振動を完璧に防ぐことを工夫していきます。車の後方を撮影することなども面白いでしょう。しかし前方の撮影が負担なくできるようになってからの話でしょう。
可能な連続撮影の時間は3時間近くもあります。コンビニで買い物をするときなど、カメラは撮影状態のまま放置しています。今、1ギガのSDカードは1万6千円で買えます。これですと連続5時間以上、最高の画質モードで撮影できます。
もっとも、ほとんどのデジカメには動画の撮影機能があります。ですから以上のことは、手持ちのデジカメで実行できます。机の引き出しに旧式のデジカメが眠っているなら、それを活用するのが安上がりです。たとえば旧式の100万画素のデジカメは、中古市場ではタダのような値段になっているはず。そしてSV-AV10こそ、1万円程で手に入る機種なのです。
外部カメラはルームミラーの後ろに付けてあります。ここに取り付けることで振動を完璧になくしました。また夜間でも確実に撮影できるようになりました。日本やアメリカのパトカーと同様です。

公開!ドッキリニアミス映像
    (映像はASFファイル形式です。Windows Media Playerで再生できます。)
  1. 進路変更禁止違反、赤色信号無視のバイク
  2. 信号無視の車が目の前を横切る
  3. 同乗者が声を上げるほどの信号無視の車
  4. 通行区分違反?信号無視のオートバイ
  5. 事故直後、走行不能になった乗用車を人が押して移動
  6. ボールを追いかけてきた子供の飛び出し
  7. おっとっとバイク
  8. 対向車の陰から突然原付が出てきてドッキリ、急ブレーキ
  9. 交差点から「鼻」を突き出すとき
    (神経を使います。歩道を走ってくる自転車の人がわき見をしていないことを祈ることしかできません。)
  10. 自転車の飛び出し
    (子供がボールを追って飛び出してきたところと、ほぼ同じ場所)
  11. 信号待ちする乳母車
    (乳母車を少し車道上に出して信号待ちするお母さんに驚きました。ここを左折するとき、巻き込まないように気をつけました。ところが、乳母車に気を取られていたものですから、信号が黄色になっていることには気がつきませんでした。映像を再生してみて初めて気が付きました。乳母車にも信号にも気をつけないといけなかったと反省しています。)
  12. 集団下校中 
    (集団下校中の小学生が駆け足で片側3車線の国道16号線を赤信号で渡るところです。対向車の第一車線の車はすでに発進しており、子供はその後ろを走り抜けています。動画は、何回か繰り返して見ると、スタントマンも真っ青のあわや≠ニいう場面であることがわかると思います。)

  13. 写真・ビデオ提供:元警視庁警察官、犀川博正氏

犀川博正(さいかわ・ひろまさ)
1947年東京生まれ。元警視庁警部補。都立立川高校卒業。1年間の警察学校生活を経て、三鷹、高井戸、碑文谷、池上の各警察署に勤務。 在職中は10年間にわたる公安係をはじめ、交番・パトカー勤務、警ら、交通係、留置係、暴走族取締りなどを歴任。97年調布警察署の地域係を最後に中途退職。勤続31年。 現在は市民オンブズマン「警察見張番」をベースに警察評論家として活動。2001年にはTBS「ニュースの森」、日本テレビ「ザ・ワイド」、テレビ朝日「たけしのTVタックル」などの番組に出演し、警察の体質とりわけ点数主義について問題を提起。

− 著書 − 構成:柳原三佳
発行:角川書店
定価:本体価格667円+税
2002年12月10日 初版発行
勤続30年の著者が、今こそ明かせる裏事情。
警察官に課される熾烈なノルマ、過酷な労働事情、不当な評価システムの驚愕の実態。
  • 奇想天外な公安の手口
  • 手っ取り早い点数ノルマ稼ぎは、自転車窃盗検挙
  • 上司から罵倒された、暴走族との死闘
  • 管轄外の事件は、点数にならないので示談に持ち込め
  • 警察内部の通貨はビール券?
  • はびこる三大処世術・・・「点数」「事なかれ」「その場」主義
  • 問題意識を持つ警察官は嫌われる
  • 自浄作用の及ばぬ密室体質、情報の独占、身内同士のかばい合い・・・本書は、警察官のみならず「組織」の中に埋没し、時として自らの羅針盤を見失いがちな現代社会に警鐘を鳴らす衝撃の1冊。
    © 柳原 三佳