初心者ドライバー、同乗者を規制すべき？

2024.9.11（水）

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車の運転免許は18歳から取得が可能です。
夏までに18歳の誕生日を迎える若者たちの中には、夏休みを利用して教習所に通ったり、合宿免許に参加したりして、短期間で運転免許を取ってしまう人も多いことでしょう。
その結果、毎年夏休み明けの9月には多くの初心者ドライバーが誕生することになります。

しかし、ここで心配なのは、免許取り立ての若者たちによる交通事故です。
最近は高齢者による事故のニュースがたびたび報じられますが、実は第一当事者、つまり加害者として事故を起こす割合が最も高いのは、16～19歳の若年層です。
初心者のドライバーたちが入手したばかりの車に友人を複数乗せ、重大な死傷事故を起こすケースもたびたび見られます。

すでに2輪車の場合は、法律で免許取得後1年以内のライダーが同乗者を乗せて走ることを禁じています（高速道路は3年間禁止）。
また、アメリカの一部の州では、初心者の4輪ドライバーが同乗者を乗せることなどに対して細かな規制を設けています。

初心者ドライバーの同乗者の規制について、みなさんのご意見をお聞かせいただければと思います。

若年ドライバー（16～19歳）は加害事故を起こす割合がもっとも高い

警察庁の調べ（*1）によると、交通事故を起こす割合がもっとも高いのは16～19歳という結果が出ています。

原付以上運転者（第１当事者）の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移
警察庁「令和５年中の交通事故の発生状況」より引用

未成年の初心者が同乗者を死傷させる事故が多数発生

初心者ドライバーの中には、運転が未熟にもかかわらず友人を複数車に乗せ、高速度を出すなど無謀な運転をする者もおり、同乗者を死傷させる重大事故がたびたび発生しています。
2022年11月には千葉県富津市で18歳の女性が大幅な速度オーバーで単独事故を起こし、同乗者3名が死亡。 昨年、危険運転致死罪で懲役8年の判決が下されました。（*2）

以下は、筆者が取材した、6人死傷事故と4人死傷事故を取り上げたものですが、いずれも加害者は18歳、免許取り立ての初心者ドライバーでした。
■【6人死傷】一般道で時速157キロは「過失」ですか？ 同乗中に即死、息子失った両親の訴え（Yahoo!ニュース、2022年5月13日） ■【4人死傷】無謀運転の少年に奪われた命　日本も初心者ドライバーに法規制を（Yahoo!ニュース、2021年5月21日）

アメリカでは初心者が同乗者を乗せることを規制する州も

アメリカ・カリフォルニア州の道交法では、『未成年者および初心者ドライバーは20歳以下の同乗者を乗せてはいけない』としており、そのほかにも以下のような細かい規制を設けています（＊注／同州での免許取得最低年齢は16歳。成人年齢は18歳）。

＜未成年者および免許取得1年未満の者への法規制＞
●深夜（23時～5時）の運転禁止
●20歳以下の同乗者の禁止 （ただし、保護者、25歳以上の免許取得者、有資格運転指導員が同乗している場合を除く）
●未成年者（18歳未満）の運転中の携帯電話の使用は禁止 （成人は、ハンズフリー装置を使えば携帯の使用は認可されている）
〈翻訳協力　Jun Jim Tsuzuki氏〉

日本でも初心者の２輪ライダーには「2人乗り禁止」の規制が

日本では、2輪免許を取得してから1年を経過していなければバイクの2人乗りが禁止されています。（*3）

高速道路（高速自動車国道および自動車専用道路）におけるバイクの2人乗りはさらに厳しく、普通自動2輪免許または大型2輪免許を交付されてから3年以上経過している必要があります。
さらに、20歳以上という条件もついています。つまり、16歳で普通自動二輪免許を取得し3年間が経過していても、19歳では高速道路での2人乗りはできないということです。

まとめ

16～19歳の若年（＝初心者）ドライバーによる事故率が高いのであれば、その期間の運転は要注意です。
初心者による事故から同乗者の命を守るために、車もバイクと同様、規制をかけるべきでしょうか。

みなさんのお考えをお聞かせください。

参考にした資料

（*1）道路の交通に関する統計 / 交通事故の発生状況（PDF)（警察庁、2024年3月7日）

（*2）富津の3人死亡事故、運転者19歳女に懲役8年判決（産経ニュース、2023年12月8日）

（*3）道路交通法71条の4第5項・第6項（E-GOV ）