証拠の改竄やもみ消しもやりたい放題…元警察官が告白する「呼気アルコール検査」のあり得ない実態
飲酒運転事故で子供を亡くした母親2人の訴え
2024.6.4(火)
相次ぐチャイルドシート未装着の痛ましい事故
先月は、保護者が運転する車に搭乗中の子どもの痛ましい事故が相次ぎました。
5月15日、奈良県御所市のコンビニエンスストアの駐車場で母親が車をバックさせた際、4歳の女の子が車外に転落し、母親の車にひかれて意識不明の重体に。報道によると、何らかの原因でスライドドアが開いたとのことでした。
<4歳女児 車にひかれ意識不明 母の車から転落か 奈良 御所|NHK 関西のニュース>
また、5月21日には、東京都練馬区で2歳の女の子が母親の運転する車のパワーウインドウに首をはさまれ、亡くなりました。
<2歳くらいの女児が“車の窓”に首挟まれ死亡 「パワーウィンドウ」では窓が開かない可能性も?専門家「チャイルドシート使用が事故防止」(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース>
子育て中、また、子どもをマイカーに乗せる機会がある人にとっては、決して他人ごとではない辛すぎる事故。私も最近は、4歳になったばかりの孫娘を車に乗せることがたびたびあるだけに、これらのニュースを見たときには大きなショックを受けました。
いずれのケースも、事故発生時、子どもはチャイルドシートを正しく装着していなかったと報じられています。定められたルールを守ってさえいれば……、と思うと、残念でなりませんが、同時に、ハンドルを握るドライバーとしての責任の重さを痛感させられました。
とはいえ、子どもはいつでも素直にチャイルドシートに座ってくれるとは限りません。ときにぐずったり、大泣きしたり、ある程度の年齢になると、自分でシートベルトを外したり、ロックを解除してしまったりすることもあるでしょう。
チャイルドシートを常に完璧に装着させて走行するというのは、意外に難しいというのもまた事実です。
嫌がる子どもをチャイルドシートに座らせるのはひと苦労だ(写真:イメージマート)
■子ども自身にチャイルドシートの必要性を認識させるために
では、子どもの命を守るため、確実にチャイルドシートに座らせるにはどうすればよいのでしょうか。
実はつい先日、私自身が大きな効果を実感した出来事がありましたので、お伝えしたいと思います。
それは、5月21日夕方のことでした。私が保育園へ孫のSちゃんを車でお迎えに行ったときのことです。チャイルドシートに座らせようとしたとき、Sちゃんは真剣な目を向けて私にこう話してくれたのです。
「チャイルドシートはちゃんとしなきゃだめなんだよ。クルマの窓に、お首をはさまれちゃうから」
おそらく、この日の午前中に起こったパワーウインドウによる死亡事故のことを保育園の先生が子どもたちにお話しし、注意を促してくださったのでしょう。4歳児でも「チャイルドシートの必要性」を理解し、大人にここまでしっかりと説明できるということに、私は大きな驚きを感じました。
そこで、私はふと思い立ちました。
「Sちゃんの言うとおり、チャイルドシートは絶対にしないとだめよね。そうだ、お家へ帰ったら、クルマがぶつかったときにチャイルドシートをしていないと、子どもがどんなけがをするか、YouTubeで見てみる?」
するとSちゃんは、
「うん、見るー!」
と返事をしたので、私は帰宅後、Sちゃんを膝の上に乗せて抱きしめながら、JAF(日本自動車連盟)が制作した『チャイルドシート不使用の危険性~衝突時~【JAFユーザーテスト】』と題された動画(下記)を一緒に見たのです。
この動画には、以下の衝突実験が収録されていました。
●チャイルドシートを使わなかった場合、急ブレーキ時に乗員(乳幼児)がこうむる危険性を検証するテスト
Sちゃんは食い入るようにこの動画を見ていました。
バーン! という音とともに車が衝突した瞬間は、一瞬、身体をびくっとさせましたが、再生が終わると、「もう一度見る」と言うので、今度は、『チャイルドシート不使用の危険性 ~急ブレーキ時~【JAFユーザーテスト】』という別の動画(下記)を一緒に見ることにしました。
二本目の動画を見終えると、Sちゃんは私に、淡々とした口調でこう話してくれました。
「チャイルドシートをしないと、赤ちゃんはとんでいくんだね。そしてお顔をぶつけちゃうんだね」
■「ママ、チャイルドシート、ちゃんとつけてね」
それから数時間後、夕食を済ませてからのことでした。仕事を終えて我が家にお迎えに来た娘(Sちゃんのママ)が、Sちゃんを自分の車のチャイルドシートに座らせ、シートベルトを装着しようとしたときです。
「ママ、チャイルドシート、ちゃんとつけてね。でないと、Sちゃんのお顔がつぶれちゃうんだから」
なんと、そう言って母親に注意を促しているではありませんか。
その姿は、チャイルドシートにいやいや座っていたこれまでの態度とはまったく異なるものでした。
そして、動画を見た直後に発していた「お顔をぶつける」という言葉が、「お顔がつぶれちゃう」に変化していることにもドキッとしました。
とにかく、衝突実験動画を視聴した後のあまりの変化に、私も娘も唖然とするばかりでした。
Sちゃんは今のところ、自分から素直にチャイルドシートに座っています。そして、肩にかかったシートベルトを外して抜け出そうとすることもなくなりました。
衝撃的な映像を幼い子どもに見せるべきか否か……、それについては意見が分かれるかもしれません。子どもの年齢にもよるでしょう。しかし、Sちゃん(4歳4か月)の場合は、この映像を自身の目で見たことによって、明らかに意識が変わりました。チャイルドシートの必要性をしっかり認識することができ、「受け身」ではなく「自発的」に装着するようになったのです。それはとても意義のある成果だったと思っています。
自分がどれだけ気をつけて運転していても、いつ不慮の事故に巻き込まれるかわかりません。また、子どもはときとして想定外の行動をする場合があります。
子どもが被害に遭う悲しい事故を防ぐためにも、ぜひそれぞれのご家庭で、命を守る方法を模索していただければと思います。