交通事故遺族である阿部智恵さんの本が出版されました。
この事件を長年取材し続けてきた柳原三佳が、編集を担当しています。
巻末には、柳原三佳が執筆した、故・阿部浩次さんにまつわる思い出のエッセイも収録されています。
内容紹介(著者の阿部さんより)
平成13年10月16日、我が家に鳴り響いた1本の電話、それは、息子が交通事故で亡くなったという知らせでした。この日から私たち家族の人生は苦しみに変わりました。
息子はまだ29歳、やりがいのある仕事に就き、結婚も間近に控えていたのに、どれほど無念だったことでしょう・・・。
「事故の原因は、対向車の強引なUターンです。バイクに乗っていた息子さん側の信号は『青』。息子さんは悪くありません」警察官は事故直後、確かにそう説明しました。ところがその後、信じられないことが起こります。事件が検察庁に送られるとなぜか事故状況が全く逆になり、何の証拠もないまま息子が信号無視をしたことになっていたのです。なぜこんなことが起こるのか?司法とはいったい誰のためにあるのか?私は息子の名誉を守るため、検察の理不尽な捜査と闘い続けました。しかし・・・。
何年経っても消えることのない、遺族の無念、悔しさ。本書は、真実をひたすら求めて闘った母の、寂しく苦しい15年間の思いと裁判の記録です。