第4章 バイクで死なないために
息を引き取る息子からのメッセージ
家族を失ったことで初めて知った警察官としての限界
宮城県警交通機動隊で白バイ隊員だった佐々木さん。
職場のお慰安旅行中に起きた突然の出来事。高3の息子が交通事故に遭遇。
事故から2週間後に家族に見守られながら息を引き取りました。
事故現場に残っていた実況見分の痕跡や、知りうる範囲の捜査結果をもとに自分で検証し、計算してみたところ、数字の根拠があいまいでつじつまが合わない。あまりにずさんな現実を当事者として目の当たりにしたとき、佐々木さんは心底落胆しました。
自分が交通事故の遺族になってみるとわからないことだらけでした。ほとんどの人は、ずさんな調書の中身を検証することもできず、捜査結果を受け入れるしかない。このような状況に驚き、22年間務めた宮城県警を退職し、正しく純粋に痕跡を読み取る交通事故調査が必要と認識し、自ら「(株)日本交通事故調査機構」を起業し、全国各地の交通事故当事者からの悲痛なSOSの相談を受けています。
- ゲッカン タカハシゴー -