JAFメイト連載vol3
交通事故をなくしたい。失われたかけがいのない命を胸に、歩き続ける人々の物語。
『お母さんが腕の中で守り抜いた小さな命』---埼玉県/中村正文さん
2010年4月、7年前のその日は、よく晴れた暖かい日でした。
「まだ4月なのに、今日は暑いくらいだね」
いつもと変わらない朝、そのな会話を妻と交わしたことを、今も鮮明に覚えています。
「それが、妻との最後の会話になりました。それから3時間後、彼女はこの世から、突然消えてしまったんです。」
自宅からほど近い横断歩道を1歳だった子を抱いて渡っていた妻は、交差点の左後ろから右折してきたタンクローリーに衝突され転倒。
「事故現場に倒れていた妻は、子供を抱く格好のままだったそうです。、命を懸けてわが子を守り抜いたのです」
- JAFメイト 2017.2・3号 -