軽自動車の乗車定員、知っていますか? 若気の至りでは済まない、定員オーバーによる重大事故 #専門家のまとめ
2025.2.11(火)
2月11日深夜、茨城県神栖市で18歳の会社員男性が運転する軽乗用車が右折する際に横転。同乗していた高校2年生(17)が死亡し、2人が腰や首を骨折する大けがを負う事故が発生した。警察の調べによると、この軽自動車には運転していた男性のほか、高校生の男女6名、計7名が乗車していたという。
軽自動車の乗車定員は法律で4名と決められているが、初心者ドライバーの定員オーバーによる事故は過去にも多数発生している。実際の事案を振り返りながら、定員と重量オーバーが招く極めて危険な事故の現実についてまとめた。
ココがポイント
軽自動車は室内空間の広さに関わらず、原則として最大乗車定員は4人です。(中略)これに違反すると道路交通法違反の処罰対象に
軽乗用車には定員を超える男性と高校生男女6人の計7人が乗っており、ほかに2人が腰や首を骨折するなど計4人が重軽傷を負った
運転していた自称無職の少年(中略)らが事故前、4人定員の軽乗用車に少なくとも6人で乗り、定員オーバーの状態で走行していた
未成年者8人が乗った軽乗用車が電柱に衝突し、市内の男子高校生が死亡(中略)100メートル手前から制御を失い、蛇行していた
エキスパートの補足・見解
車の乗車定員は、国土交通省が車種ごとに「道路運送車両の保安基準 第53条 乗車定員及び最大積載量」で定めています。軽自動車は2シーターを除き、原則として乗車定員は4人(12歳以上)となっており、違反すると道路交通法違反で処罰されます。12歳未満の子供は3人で大人2人分に該当するとされているため、たとえば大人2名+子供3名、大人1名+子供4名といった組み合わせなら軽自動車でも5名乗車が可能です。しかし、シートベルトが4人分しかないので現実的には危険です。
過去を振り返ると、免許取り立ての若者が軽自動車の定員(4名)をはるかに超える数の同乗者を乗せ、制御不能の状態に陥って死者や重傷者を出すという重大事故が繰り返し起こっています。シートベルトをしていない搭乗者は車外放出されたり、車内で大きな衝撃を受けたりするなど、身体に大きなダメージを受けてしまうのです。
十代の若者は同乗者が複数いると、自身の運転技量以上に無理な運転をして事故率が上がることが報告されています(イタルダインフォメーション93号参照)。運転者だけでなく、同乗する側もこの現実をしっかりと認識し、最低でも定員は厳守してください。