早朝に相次ぐ飲酒重大事故。「酒気残り」の怖さと「朝ならバレない?」危険な思考 #専門家のまとめ
2025.1.30(木)
1月22日午前6時半頃、郡山駅前で受験生の女性(19)が軽乗用車にはねられ死亡する事故が発生した。容疑者(34)は飲食店で6時間ほど飲酒した後、一度帰宅してから車で外出。事故直前に少なくとも3カ所で信号無視をしていたと報じられており、福島県警は危険運転致死容疑も視野に捜査をしているという。
飲酒による重大事故は夜に発生するイメージを持ちがちだが、朝にもたびたび起こっている。前夜の「酒気残り」に気づかない場合、また酔っていることを知りながら「朝ならバレない」とたかをくくる者も。実例等をまとめた。
ココがポイント
「こんなに早朝なら警察はいないだろうと思った」(中略)(酒気帯び運転)容疑で逮捕された男は、取り調べに対し、こう供述した
(酒気帯び運転)の疑いで海上自衛隊第5整備補給隊の2等海曹(40)を現行犯逮捕した。「酒は抜けたと思った」と容疑を否認
飲酒をした事実があれば、「アルコールが抜けた」と思っていたとしても、結果として「飲酒運転の故意あり」と判断されるのです。
アルコールの分解能力は1時間あたり4g(中略)ビール500mLと日本酒1合を飲むと分解まで約10時間もかかってしまう。
出典:JAF Mate
エキスパートの補足・見解
血中のアルコール濃度は、飲酒後、約30分~2時間後にピークとなり、その後、濃度はほぼ直線的に下がっていきますが、完全に身体から抜けるには、たとえば、ビール500mLと日本酒1合を飲んだ場合、分解まで約10時間もかかってしまいます。ちなみに、年齢や性別、体格、体質などによっても個人差がありますが、2倍の量のアルコールを身体に入れると分解時間も2倍かかるとのことです。
道路交通法第65条 第1項では、『何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定されています。飲酒運転をしたドライバーの罪を問うためには「自分の身体がアルコールを保有していること、車両を運転すること」の認識が必要とされていますが、一般論として、「酒気残り(酒気帯び)」の認識(故意)を否定した場合でも、違反として検挙されます。つまり、アルコールが検知された以上、「アルコールが残っていないと思っていた」といった言い訳は通りません。
朝は通勤や通学時間帯でもあり多くの人が行き交います。「酒気残り運転」の危険性を認識し、安易に自己判断をせず、不安なときはアルコールチェッカーで計測するなど十分に気をつけるようにしてください。