自著を語る『焼かれる前に語れ』
司法解剖医が聴いた、哀しき「遺体の声」
(柳原三佳・岩瀬博太郎(千葉大学法医学教授)共著・WAVE出版)
日本人は生きている間は先進医療を受けられます。しかし、一旦心臓が止まると、江戸時代へタイムスリップしてしまうのです。
日本では毎年約100万人が死亡し、そのうち病院以外の場所で不慮の死を迎える人は年間約15万人にのぼっています。ところが、日本の場合、かなり疑わしい死体でも解剖にまわされないケースが大半で、2007年の司法解剖率はわずか3.8%(約5000体)にとどまっています。
実はこの数字、世界的に見ても最低レベルで、異様な低さだといわれています。
文化連情報 2009.1
ノンフィクション作家 柳原三佳