幕末の日本も経験した「大地震後のパンデミック」
『開成をつくった男、佐野鼎』を辿る旅(第33回)
2020.3.15(日)柳原 三佳
3月11日、WHOのテドロス事務局長は新型コロナウイルスについて、「パンデミックといえる」と評価をしたことを発表。感染が世界中でさらに拡大するという見通しを示しました。
この日は奇しくも、東日本大震災の発生から9年目にあたり、ニュースでは今後起こるであろう南海トラフ地震の話題も頻繁に出ていました。
そんな中、13日未明には能登半島で震度5の地震が発生・・・。 感染症も大地震も、人の力では予測ができないだけに、一連の報道に触れながらこれまで以上に今後への不安を抱いた方も多かったのではないでしょうか。 実は、幕末の日本には、現在の状況と非常によく似た時期がありました。
大地震や津波が各地に甚大な被害をもたらし、その傷が癒えぬまま、今度は大陸から入ってきた感染症(コレラ)のダブルパンチを受け、多くの人命が奪われたのです。
今から約160~170年前のことです。
【JBPress(連載記事)はこちら】
(第33回)幕末の日本も経験した「大地震後のパンデミック」
【連載】
(第11回)これが幕末のサムライが使ったパスポート第一号だ!
(第14回)151年前の冤罪事件、小栗上野介・終焉の地訪問記
(第15回)加賀藩の採用候補に挙がっていた佐野鼎と大村益次郎
(第16回)幕末の武士が灼熱のパナマで知った氷入り葡萄酒の味
(第17回)遣米使節団に随行、俳人・加藤素毛が現地で詠んだ句
(第19回)「勝海舟記念館」開館! 日記に残る佐野と勝の接点
(第20回)米国女性から苦情!? 咸臨丸が用意した即席野外風呂
(第21回)江戸時代の算学は過酷な自然災害との格闘で発達した
(第22回)「小判流出を止めよ」、幕府が遣米使節に下した密命
(第24回)幕末に水洗トイレ初体験!驚き綴ったサムライの日記
(第25回)天狗党に武士の情けをかけた佐野鼎とひとつの「謎」
(第29回)明治初期、中国経由の伝染病が起こしたパンデミック