感染症が猛威振るったハワイで患者に人生捧げた神父
『開成をつくった男、佐野鼎』を辿る旅(第37回)
2020.5.1(金)柳原 三佳
ダミアン神父とカラワオ少女合唱団。1878年頃、モロカイ島のカラウパパにて(ウィキペディアより)
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないまま、とうとうゴールデンウィークに突入してしまいました。
新緑の眩しい季節に外へ出られないのは残念ですが、全国各地で懸命に治療に当たってくださっている医療従事者の方々に感謝し、また、これ以上感染を広げないために、私たちは「ステイホーム」を実践しなければなりませんね。
さて、世界の歴史を振り返ると、感染症の流行がその国の未来を大きく変えるきっかけになっているケースが多々あることに気づかされます。
その一例が、日本と同じ島国であるハワイです。
私は昨年、「万延元年遣米使節子孫の会」の研修で、ハワイを訪れました。そのとき、オアフ島から南東に約40km、ハワイ諸島のほぼ真ん中に位置するモロカイ島にも立ち寄り、1800年代のハンセン病患者の過酷な隔離生活と、その患者を救おうと尽力したダミアン神父という人物ゆかりの史跡の一端に触れることができました。
今回は、この静かな島で辿った史跡と、現在、ハワイの人口の2割以上を占める日系人との関係についてレポートしてみたいと思います。
【JBPress(連載記事)はこちら】
(第37回)感染症が猛威振るったハワイで患者に人生捧げた神父
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