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子への虐待疑われ長期身柄拘束された保護者たちに、相次ぐ逆転無罪判決! 2月には総括シンポジウムも #専門家のまとめ

2025.1.31(金)

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子への虐待疑われ長期身柄拘束された保護者たちに、相次ぐ逆転無罪判決! 2月には総括シンポジウムも

 近年、子どもへの揺さぶり虐待を疑われて刑事訴追された保護者たちに、相次いで無罪判決が言い渡されている。昨年末には、2歳だった娘への虐待を疑われた今西貴大さんが高裁で逆転無罪を勝ち取った。彼は一貫して無実を訴えながらも、約5年半にわたって身柄を拘束された。

 虐待が疑われる場合、子供の保護など適切な対応が必要だが、事故や病気にもかかわらず一方的に虐待を疑われ「被告人」にされる当事者と家族の苦悩は想像を絶するものがある。筆者が取材した「揺さぶられっこ症候群」事案を挙げながらこれまでの経緯を振り返る。

ココがポイント

逆転無罪の「今西事件」 「正義に反する」と今西さんの弁護団が「上告しないよう」検察に申し入れ

SBS理論に基づく一部の医師たちの意見だけに影響されてきたような気がします。(中略)まるで宗教のような感じすらしました。

出典:現代ビジネス 2020/2/22(土)

「俺は、お前がやったと思てんねん。直感やねん!」これは数年前、大阪府警捜査一課の刑事が一人の父親に投げつけた言葉です。

出典:現代ビジネス 2023/11/13(月)

SBS/AHT論に基づいて訴追したと考えられる刑事裁判において、相次いで無罪判決が出され、その無罪判決の理由にも変化が

出典:日本弁護士連合会(2023.3)

エキスパートの補足・見解

 愛する我が子や孫がある日突然、事故や病気で重篤な状態に。それだけでも耐えがたい苦しみなのに、証拠もないまま一方的に「虐待親」のレッテルをはられ子どもと引き裂かれ、逮捕されてしまったら…。日本にはそうした耐え難い苦しみを強いられた当事者と家族が大勢います。私はそうした人々から切実な体験を聞いてきました。

『揺さぶられっこ症候群』、1960~70年代に米国で提唱された理論で「硬膜下血腫+眼底出血+脳腫脹」という症状がみられると、揺さぶりによる頭部外傷と即断され、長年、虐待が疑われてきました。しかし、すでにこの理論には疑問が呈され、2023年に日弁連がまとめた報告書によると、2018年頃を境に無罪判決が相次いでいることがわかります。有罪率が99%を超えている日本の刑事裁判において、この事態はまさに異常といえるでしょう。2月28日18時からは、大阪で「逆転無罪判決を総括する」と題して、今西事件シンポジウム(以下参照)も開催される予定です。

http://shakenbaby-review.com/wp/

 国は過去に無実を訴えながら収監された人々にどう向き合うのか。しっかりとした検証が必要です。