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− 木村事件 −

1999年10月25日、23日から行方不明となっていた木村悟君が遺体で発見。
地元の弟子屈警察署は「バイクの単独事故」と断定するが、
遺体と発見現場の状況からは、とても事故とは考えられない。


 再び不起訴に
Date: 2006-10-18 (Wed)
 釧路地検は17日、再度の不起訴処分を決めました。
 報道記事をコピーします。

■2006/10/17 北海道新聞夕刊

標茶・バイクの高2死亡 再捜査でも不起訴
釧路地検「単独の事故」

【釧路】釧路管内標茶町で一九九九年十月、根室管内中標津町の高校二年木村悟さん=当時(16)=がバイクのそばで遺体で発見され、遺族が容疑者不詳のまま傷害致死容疑で行った刑事告訴について再捜査していた釧路地検は十七日、「単独の交通死亡事故であることに疑いの余地はない」などとして、あらためて不起訴処分とした。刑事事件としては二十二日に公訴時効を迎えるため、これで捜査はすべて終了することになる。

 同地検は昨年十二月、「バイクによる単独死亡事故」と認定し、不起訴としたが、遺族側の申し立てで釧路検察審査会が今年七月に「第三者が関与した可能性がないとは言えない」として不起訴不当を議決したため、再捜査が行われていた。
 傷害致死事件の時効(七年)が今月二十二日に迫っており、同地検はそれまでに結論を出す方針を遺族に伝えていた。同地検の藤田信宏次席検事は十七日、記者会見し、「殴られるなどの暴行でできたと認められる傷は一切なく、何者かが事故に整合する状況を巧妙につくり出すことはおよそ不可能だ」などと不起訴の理由を説明した。
 木村さんは九九年十月二十二日夜から自宅に戻らず、二十五日午後二時ごろ標茶町内の町道脇で見つかり、近くにバイクが倒れていた。弟子屈署は立ち木に衝突した単独死亡事故と判断、司法解剖を行わなかった。
 遺族側は《1》傷のないヘルメットが遺体のそばにあった《2》事故で脱げないはずの軍手と靴が遺体から離れた場所にあった−ことなどを不自然として、○三年十一月に被疑者を特定せずに傷害致死容疑で告訴。道警は「事件性を裏付ける証拠がない」として昨年二月に捜査を打ち切り、釧路地検は同十二月に不起訴処分としていた。

※捜査経験の継承ない
 木村悟君事件をヒントに小説を書いた作家佐々木譲さん(56)=中標津町在住=の話 ヘルメットを脱ぎ、手袋を外すなど死亡状況の不自然さについて誰もが納得できる合理的な説明を道警がしてこなかったため疑問が残る。道警が単独事故と思い込み、初動捜査が不十分で司法解剖をしなかった結果だ。そのせいで、遺族や木村君の同級生は七年間苦しんできた。素人が見ても「おかしい」と感じる事故現場で、捜査員が不自然さを感じられないのは、警察が積み重ねてきた捜
査の経験が継承されていないからではないか。今年、秋田県能代市で起きた小学生連続殺人事件と同じ状況だ。

※真相の解明は困難
 北大大学院法学研究科・白取祐司教授(刑事訴訟法)の話 
 容疑者が誰かも分からないのに不起訴不当とした検察審査会の議決は異例だった。これは、遺族の思いをくんで、警察の捜査が不十分だったことを審査会として表明したものだと思う。しかし、発生から時間が経過していることもあり、真相を解明するのは現実的には困難だ。問題点は、司法解剖を行わなかったなどの初動捜査に尽きるといえる。

※涙の母「納得できない」
 
【釧路】「こんなむごい結果を息子にどう伝えたらいいのか…」。釧路管内標茶町で一九九九年十月、根室管内中標津町の高校二年木村悟さん=当時(16)=が遺体で発見されてから七年。容疑者不詳のまま傷害致死容疑で告訴し、真相究明を訴え続けた遺族の願いは十七日、再度の不起訴処分が決まり、ついにかなわなかった。
 釧路地検で処分理由の説明を受けた後、釧路市役所で記者会見した母富士子さん(49)は「現場の状況は不自然で、到底納得できない。地検にはもっと誠意ある捜査をしてもらいたかった」と涙ぐみ、うつむいた。警察の初動捜査への不信感は根強く、「最初に司法解剖さえしてくれれば、こんなに苦しまなくて済んだのに。初動捜査のミスも認めず、この気持ちをどこにぶつけたらいいのか」と悔しがった。
 単独事故死と断定した捜査結果に疑問を抱き、息子の無念を晴らしたい一心で、生活のすべてをなげうって闘った七年間。富士子さんの執念が二度の再捜査へ突き動かしたが、最後まで思いが届くことはなかった。
 代理人の田中貴文弁護士は「地検は事故の可能性ばかりを主張したが、『不起訴不当』を議決した検察審査会の判断こそ健全だ」と地検の判断を批判。「司法解剖で客観的な証拠を押さえていれば、関係者の供述も違っていたはず。ずさんな初動捜査に最後まで引きずられてしまった」と述べた。
 今後、民事訴訟で国や道などと争うことについて富士子さんは「できることなら、やりたい気持ちはある。弁護士と相談しながら考えたい」と話した。

【写真説明】再度の不起訴処分が決まり、記者会見で無念の涙を浮かべる母親の富士子さん


 「木村事件」ご遺族からのメッセージ
Date: 2006-07-26 (Wed)
 このたびの署名では弁護団の先生方、柳原様、北海道交通事故被害者の会のみなさま、アピュイのみなさま、その他大勢の方々のご支援、ご協力をいただき、心より感謝しております。
 個々に問題を抱えておられる方も多い中、1ヶ月にも満たない署名活動にもかかわらず、たくさんのお力をいただき、本当にありがとうございました。

 みなさまのおかげで、先週20日、釧路検察審査会で「不起訴不当」の議決を出していただくことができました。
 時効は近づいていますが、釧路地検は再捜査に乗り出すとのことです。
 報告が送れましたこと、心よりお詫び申し上げます。
 引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

                    中標津・木村富士子


 釧路検察審査会が不起訴不当の議決
Date: 2006-07-22 (Sat)
7月20日、釧路検察審査会が不起訴不当の議決を下しました。

 今、秋田の児童殺害事件や、パロマの一酸化炭素中毒事件などが問題になっていますが、根本的には木村事件と同じく、「死因究明」態勢の不備が問題になっています。「死因究明」を徹底的に行えば、次なる被害は防げたはずです。
 傷害致死事件としての時効まで、あと3ヶ月となりましたが、検察庁には真剣に再捜査をお願いしたいと思います。

 取り急ぎ、北海道の前田敏章さんから新聞報道などが届きましたので、紹介させていただきます。

<以下、前田さんからの情報です>

釧路検察審査会は7月20日、不起訴「不当」を議決しました。

皆様の御協力で6月以来1か月という短期間に不起訴「不当」の議決を求める署名が集められ、7月10日の2回目の提出で1回目と合わせ8091筆の貴重な声が届けられました。これも審査委員の良識に響き、今回の不起訴「不当」という重要な判断につながったものと思われます。本当にご協力ありがとうございました。

とりあえず、今朝の報道記事をコピー致します。

■「北海道新聞」2006/07/21 09:26

高2標茶でバイク死
地検の不起訴「不当」
釧路検察審査会が議決  
 【釧路】釧路管内標茶町で一九九九年十月、根室管内中標津町の高校二年木村悟さん=当時(16)=が死亡したオートバイ事故について両親が事件性があるとして告訴した問題で、釧路検察審査会は二十日、単独死亡事故として不起訴にした釧路地検の処分を不当と議決した。同地検は再捜査し、あらためて処分を決める。
 同審査会は議決理由として、木村さんのヘルメットや軍手、靴が脱げていたことに、事故の衝撃ですべて脱落することは考えられないと疑問を指摘。「遺体が不自然な形になっており、何者かの行為で死に至らしめられたことも否定できない」と再捜査を求めた。
 釧路市内で記者会見した母親の富士子さん(49)は「七年間苦しんできた。犯人は今も生きているので、必ず起訴してほしい」と話した。
 木村さんの両親は二○○三年十一月、暴行を受けて死亡した可能性が高いとして被疑者不詳のまま傷害致死容疑で告訴した。道警釧路方面本部が「事件性を裏付ける証拠がない」として昨年二月に捜査を打ち切り、釧路地検も同十二月、不起訴処分としたため、今年三月に審査を申し立てていた。


 新聞記事
Date: 2006-06-28 (Wed)
2006年6月16日「毎日新聞」北海道版

不服申し立ての母親から尋問
標茶高生死亡の不起訴で釧路地検

 釧路管内標茶町で99年10月に遺体が発見された高校生の両親が「事故を装った暴 行事件の可能性がある」として刑事告訴し釧路地検が不起訴とした問題で、両親 の申し立てを受けた釧路検察審査会は15日、母親を非公開で尋問した。代理人の 青野渉弁護士は審査会の結論が7月中にも出されるとの見通しを示した。
 尋問を受けたのは、死亡した根室管内中標津町の道立標茶高校2年、木村悟さ ん(当時16歳)の母富士子さん。(49)。▽事故では脱げないはずのヘルメット や靴などが遺体の周囲に散乱していた▽ヘルメットに事故の傷がないーなどの疑 問点を説明。「不起訴不当」の議決を求める4114人分の署名も提出した。
 終了後記者会見した富士子さんは「真剣に聴いてくれた。審査会の判断を待ち たい」と語った。

++++++++++++++++++++
2006年6月16日「釧路新聞」

審査申し立て 「木村悟君事件」で母親ら 釧路検察審査会へ

 釧路検察審査会に審査を申し立てている中標津町在住の木村富士子さんと弁護 団の青野渉弁護士(札幌弁護士会)が15日、釧路市内で会見を開き「釧路地検に 捜査を尽くしてほしい」と改めて主張した。
 木村さんは1999年10月、標茶町の町道脇でオートバイと共に遺体で発見された 中標津町の高校2年生木村悟さん=当時(16)=の母で、息子の死に不自然な点 が多いため、傷害致死容疑で告訴した。同地検は不起訴処分としたが、木村さん らは不服と今年3月、同審査会に申し立てた。15日は同審査会による申立人尋問 に呼ばれ、青野弁護士と共に来釧した。11人の民間人で構成する審査員のうち5 人の任期が切れる7月末までには議決が判明する見通し。
 木村さんは「尋問は30分と短時間だったが、真剣に話を聞いてくれた。不起訴 不当に賛同してくれた4114人分の署名も渡した。署名活動は今後も継続する」と 話している。(後略)


 署名のお願い
Date: 2006-06-05 (Mon)
署名のお願い


2006.6.5

〒060−0061             .
札幌市中央区南1条西10丁目タイムスビル3階

札幌おおぞら法律事務所
弁護士 田  中  貴  文
Tel 011-261-5715
Fax 011-261-5705

 私は平成14年12月から木村悟君の事件に携わっています。
 木村悟君は平成11年10月22日に行方不明となり,その3日後,死体で発見されました。警察は死体解剖も行わず,バイク運転中の単独交通事故死と断定して処理しました。
平成14年12月に母親が刑事記録を閲覧して,現場写真などを入手することができました。現場写真を見ると,単独死とするにはあまりにも不自然な現場状況でした。その後,現地調査,医師による鑑定などを経て,平成15年11月26日に,被疑者不詳の「傷害致死事件」として北海道警察本部に告訴を行いました。再捜査は北海道警察釧路方面本部が担当しましたが,ろくな捜査もせず平成17年2月25日に「事件性はない」として釧路検察庁に送付しました。そして,平成17年12月28日に釧路地方検査庁中尾検事は「不起訴」決定を下しました。
この「不起訴」決定に対し,「釧路検察審査会」に対し「検察官の不起訴決定が不当」であることの議決を求めて,本年3月22日に審査申立を行いました。6月15日に,悟君のお母さんの尋問が行われ,まもなく「議決」が出される予定です。
 署名に是非ご協力をお願いします。是非,ご家族,お知り合いの方にもご協力をお願いしてみてください。
 署名用紙が不足であれば,お手数ですがコピーをして集めてください。6月15日の尋問の時に持っていきたいので,6月14日必着でお願いします。   

 よろしくお願いします。    


中標津木村悟君事件
不起訴不当の議決を求める署名 
釧路検察審査会  御 中

木村悟君(当時標茶高校2年生)は、平成11年10月22日午後5時頃、標茶町の友人宅から「友人の家に行く」と出発して、その後行方不明になりました。弟子屈署と学校関係者、家族らが捜索したところ、平成11年10月25日午後2時頃、路外に転落して死亡している悟君が発見されました。悟君の遺体のそばにはオートバイがあり、弟子屈署は、オートバイを運転していた悟君がカーブを曲がりきれず、路外に転落したと発表しました。このオートバイは19日午後に中標津町内で盗まれたものでした。
  弟子屈署は、悟君の単独事故死であると判断して処理しましたが、事故現場は「悟君がオートバイの運転を誤って路外に転落して死亡した」とするには、あまりにも不自然です。
@  悟君がかぶっていたとされるフルフェイスのヘルメットが、遺体のそばに置いてあったこと
    フルフェイスのヘルメットをかぶっていればヘルメットが脱げるわけはありません。またヘルメットをかぶっていれば、ヘルメットは衝撃を吸収してへこんでいるはずですが、全くへこみやキズはありません。
 A 悟君が身に着けていたと思われるスニーカー、軍手、靴下が脱げて、遺体のそばに置かれていたこと 
   死んだ人間が、身につけていたスニーカー、軍手、靴下を脱ぐということができるのでしょうか。
B 悟君の眼鏡は壊れていないこと
   警察の実況見分が終わった後の11月6日、悟君のお母さんは事故現場で、悟君が使っていた眼鏡を発見しました。眼鏡はきちんと折りたたんだ状況で壊れていませんでした。悟君がヘルメットをかぶっていなければ眼鏡は壊れてしまうでしょうし、ヘルメットをかぶっていればフルフェイスのヘルメットは脱げることはありませんから、いずれにしても、眼鏡が壊れていないことはおかしなことです。
C 悟君の衣服にも、体にも傷がないこと
     バイクは立木にぶつかっています。しかし、立木にぶつかって悟君が死んだというのに、悟君の衣服にも、体にも、全く傷はありません。
     悟君は、どこかほかの場所で命を落とし、死体が何者かの手によってこの現場に遺棄されたものと見るべきです。ところが、昨年12月28日釧路検察庁は、ろくな捜査もせず、本件を不起訴処分としました。
釧路検察審査会は、速やかに、この釧路検察庁の不起訴決定が不当であることを議決してください。

   http://www.ne.jp/asahi/remember/chihiro/
(署名用紙のダウンロードは上記)

 {署名送付先} 〒060-0061 札幌市中央区南1条西10丁目タイムスビル3階 札幌おおぞら法律事務所


 検察審査会に申し立て
Date: 2006-03-25 (Sat)
2006/03/23 北海道新聞

「高2死亡」不起訴審査を申し立て

【釧路】釧路管内標茶町で一九九九年、根室管内中標津町の高校二年木村悟さん=当時(16)=がオートバイで転倒し死亡したとされる事故で、暴行を受けて死亡したと訴えている両親が二十二日、釧路地検の不起訴処分を不服とし、釧路検察審査会に審査を申し立てた。

 申立書によると、木村さんの遺体の状況などから暴行を受けて死亡した可能性が高く、単独事故死との判断を不服としている。また地検の処分について「十分な捜査を尽くさないまま裁定し、極めて不当」と指摘。「自力で脱げないはずのヘルメット、靴、軍手が遺体の周囲に散乱しており、何者かが置いたと結論づけられる」などと主張している。

 両親は○三年十一月、被疑者不詳のまま傷害致死容疑で告訴したが、道警は「事件性を裏付ける証拠がない」として昨年二月に捜査を打ち切り、釧路地検も昨年十二月、不起訴処分とした。
 申し立て後、記者会見した木村さんの母富士子さん(49)は「疑問点に対し地検から明確な説明がなく親として納得できない」と訴えた。


 「木村事件」再告訴も検討
Date: 2006-01-18 (Wed)
 昨日、「木村事件」弁護団と、母親の木村富士子さんが、釧路地検に不起訴処分の説明を求めに行き、その後、釧路市役所において記者会見を行いました。その模様は、本日の各新聞、テレビのニュースで伝えられました。
 検察官は、告訴状の中に記された数多くの疑問点について、何ひとつ具体的な説明を行わなかったそうです。納得できません。

 以下に、本日の「新聞記事」と、今週の「週刊朝日」を読まれたあるご遺族(木村事件と同様、息子さんの事故死に疑問を持っておられるお父さん)からのメールを転記します。
 昨日お伝えしましたが、もっと早く変死体のCT撮影などの取り組みが実施されていれば、こうした事件は防げたのではないでしょうか。


■バイク死不起訴「納得できない」 両親、再告訴も  2006/01/18 07:45(北海道新聞)
 
【釧路】釧路管内標茶町で一九九九年、根室管内中標津町の高校二年木村悟さん=当時(16)=が遺体で見つかり、道警がオートバイによる単独事故死と断定したのに対し、両親が傷害致死容疑で告訴していた問題で、釧路地検が不起訴処分としたのを受け、木村さんの母富士子さん(48)が十七日、釧路市内で記者会見し、同地検の決定を厳しく批判した。

 同地検で処分理由の説明を受けた後、会見した富士子さんは「とても憤慨している。私たちが投げかけた疑問をすべて否定しており、納得できない」と述べた。代理人の田中貴文弁護士も「バイクで事故を再現するなどの科学的な鑑定がされておらず、極めて残念だ」と地検の対応を批判した上で、国家賠償請求訴訟や再告訴も視野に今後の対応を検討する考えを明らかにした。


●今週の「週刊朝日」を読んで

「週刊朝日」拝見いたしました。
 柳原先生が今熱心に取り組んでおられる司法解剖の必要性と重要性を改めて痛感いたすと同時に、事故当初この事を知っていればこの現状が大きく変わっていたかも....痛恨の極みです。
 木村事件は息子の事故と似ていため大変参考にさせて頂きました。私の国賠の重要な判例になると思っていたからです。
 師走の不起訴の予想外の結果に自分と重なり漠然としました。
 私自身も、ピュアなまでに警察、司法の公明正大を信頼していたのですが……(以下略)


 年末ぎりぎりの「不起訴通知」
Date: 2006-01-06 (Fri)
 被疑者不詳の傷害致死事件として告訴していた北海道の「木村事件」の速報です。

 2005年12月30日、釧路地方検察庁の中尾貴之検事より、告訴人の木村さん夫妻に「不起訴」の通知が郵送されてきました。文書は12月28日付けです。
 なんと、その2日前の12月26日に、母親の富士子さんが吹雪の中釧路地検に呼び出され、検事から事情を聞かれた直後のことでした。

 不起訴の理由に対する具体的な説明がないため、木村事件弁護団は直ちに、『被害者等通知制度実施要領第3(4),第4,4』に基づいて、不起訴裁定の理由の骨子を弁護士宛てに文書にて通知するよう、釧路地検の中尾検事に求めました。

 官庁やマスコミ関係が冬休みに入るこの時期を狙ったと思われても仕方のないような今回の不起訴通知に、驚くばかりです。
 不起訴と判断するまでに、どの程度の捜査を行い、何を根拠としたのか?
 単独のバイク事故死としてはあまりにも不自然な現場、遺体の状況……。
 釧路地検には責任を持った回答を望みたいと思います。


 『死因究明〜葬られた真実』
Date: 2005-10-06 (Thu)
柳原三佳著『死因究明〜葬られた真実』に事件詳細を記述しています。

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2130955&x=B

(帯コピー)
ジャーナリスト日垣隆 絶賛!
「遺族として、本当の理由が知りたい。これは、誰にでも起きる惨劇である」

<解剖を怠り、人の死をないがしろにする警察・司法当局のずさんな実態を告発する>

『毎日のように報じられては忘れ去られてゆくさまざまな事件や事故。本書の取材を通して多くの人に出会い、話を聞く中で、その裏側には真実と異なる死因で一方的に処理をされてしまったケース、また、ずさんな捜査による未発覚の殺人事件なども相当数隠れていることがわかってきました。「被害者」でありながら、その事実すら認められないケースもあるのです---』(「まえがき」より)

(本書の内容)

 バイクの単独事故として処理され、その後、遺族が傷害致死事件で告訴している「木村事件」(北海道)、司法解剖の有無をめぐって今も争いが続いている「保土ヶ谷事件」(神奈川)……、その他ずさんな初動捜査によって死因を曖昧にされた数々の事件を取り上げ、検視・司法解剖制度の歪みを鋭く指摘。
 千葉大学法医学教室・岩瀬博太郎教授の司法解剖現場からの「告発と提言」も見逃せない。
 警察や検察の捜査、テレビドラマや小説などの「法医学」や「監察医」のイメージが、根底からくつがえされる一冊だ。


 捜査終了か?
Date: 2005-02-25 (Fri)
 一昨日、「木村事件」のご遺族に対し、北海道警察から捜査を終了し、本日(25日)にも送検するという内容が伝えられました。
 取り急ぎ、昨日の新聞記事をお伝えします。
 告訴状の中には、弁護団の詳細な調査に基づく疑問点とともに、関係者の実名も明記されていますが、まったく新証拠が得られなかったという警察の捜査結果には、大きな疑問を感じます。
 



●両親「事故死の息子は傷害致死」 道警釧本「新証拠なし」
 再捜査の終了説明  

【釧路、中標津】釧路管内標茶町で一九九九年十月、高校生が遺体で見つかり、弟子屈署がオートバイ事故死と断定、高校生の両親が「事故ではなく他の原因で死亡した」などとして、容疑者不詳のまま傷害致死容疑で道警に告訴していた問題で、道警釧路方面本部捜査課は二十三日、当時の捜査を覆す証拠は見つからなかったとして、再捜査を終了することを遺族に伝えた。

死亡したのは根室管内中標津町、高校二年木村悟さん=当時(16)=。告訴状などによると、悟さんは標茶町西標茶の町道脇で遺体で見つかり、近くにオートバイが倒れていた。弟子屈署は、立ち木に衝突した単独事故で、死因は頚椎(けいつい)骨折と断定。検視や司法解剖は行わなかった。

遺族は、《1》傷のないヘルメットが遺体のそばにあった《2》事故では脱げないはずの軍手と靴が遺体から離れた場所にあった−ことなどを不自然として、二○○三年十一月に道警に告訴。釧本捜査課が再捜査していた。

中標津署で同捜査課から説明を受けた母親の富士子さん(48)は「結局、容疑者が特定されず、こちらが投げかけていた疑問にも中身の濃い回答をしてくれなかった」と失望をあらわにした。

2005/02/24 「北海道新聞」


 日弁連のサイトで「木村事件」を紹介
Date: 2005-02-07 (Mon)
〜日弁連の犯罪被害者支援委員会〜 

標茶高校木村悟君事故死事件として、弁護士さんの立場から意見が述べられています。

http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/katsudo/jinken/higaishashien_f.html

日弁連 犯罪被害者支援委員会

http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/katsudo/jinken/higaishashien.html


 2004.12.25 朝日新聞記事
Date: 2005-01-18 (Tue)
●標茶高2年生、二輪事故死 
 死因「道警発表とは別」

 釧路支庁標茶町で99年、二輪車を運転中に死亡した標茶高校2年の木村悟さん(当時16)の両親が、被疑者不詳のまま傷害致死容疑で道警に告訴している問題で、両親を支援する弁護士は24日、死因が、当時の道警が判断した頸椎骨折ではなかったことを明らかににした。これを受けて弁護士らは、「死因が違った以上、新たな捜査をしてほしい」と要請した。
 木村さんは99年10月25日、標茶町内の町道脇の草むらで遺体で見つかり、弟子屈署は木村さんがオートバイを運転中に路外に逸脱して樹木に衝突し頸椎骨折で死亡したとした。しかし木村さんの両親は、遺体近くにあったヘルメットに衝突による傷がない事から、「事故死の偽装ではないか」と主張している。


 ミスターバイク2004.12月号記事より
Date: 2005-01-18 (Tue)
北海道「木村事件」

『傷害致死事件』での再捜査がいよいよ大詰めに?
〜遺族と弁護団が北海道警察・釧路方面本部で捜査官と3度目の面談〜

 2004年10月1日、「木村事件」の弁護団と遺族が、北海道警察釧路方面本部に出向き、捜査担当官と面談。再捜査の進捗状況について報告を受けるとともに、真犯人の検挙に向け、引き続き総力を挙げて捜査するよう申し入れをおこなった。
 遺族が、「被疑者不詳の傷害致死事件」として、北海道警察本部に告訴状を提出したのは、昨年11月26日。あれからちょうど1年、捜査はいよいよ大詰めを迎えている。
 北海道川上郡標茶町で、木村悟君(当時16・高2)の遺体が発見されたのは、1999年10月25日午後2時頃のことだった。10月22日の放課後から行方不明となっていた悟君は、家族らによる必死の捜索も空しく、3日後、壊れた250ccのバイクとともに、道路脇の草むらで変わり果てた姿となって発見された。
 捜査にあたった弟子屈警察署は、現場の状況から「バイクの単独事故」と断定。死体検案にあたった医師も、交通事故という前提で「頚椎骨折で死亡」と診断した。また、死亡推定時刻は、司法解剖すら行なわれないまま、同級生らの証言だけを鵜呑みにし、22日の午後5時5分とされた。
 しかし、悟君の両親は、当初から、警察や学校、同級生らの対応に不信感を抱いていた。
「本当に交通事故だったのか? 本当はなんらかの事件に巻き込まれたのに、バイク事故に見せかけて、現場に放置されたのではないのか……」
 そして、事故から3年経って、ようやく検察庁で複写した遺体や現場の写真は、複数の法医学者や工学鑑定人などに疑問を投げかけ、疑惑の事件として大きな注目を集めてきたのだ。
 医学博士で元東京監察医務院長の上野正彦氏は、告訴状とともに提出された「鑑定意見書」の中で、こう指摘している。
「頚椎骨折・頚髄損傷であれば首から下が瞬時にマヒするため、自分でヘルメットや軍手を脱ぐことはできないはずだ」
 たしかに、遺体のすぐ横には、フルフェイスのヘルメットが整然と置かれ、グローブ代わりと見られる軍手も脱いだ状態で見つかっている(写真)。そもそも、路外に投げ出されるような事故でありながら、衣類に破れや乱れはなく、身体にも生傷ひとつないなどということがありうるだろうか。
 さらに上野氏は、
「背中の死斑の出現が軽度なので、死因は頚椎骨折・頚髄損傷とするより、胸、腹腔内臓器損傷による失血死の方が事実に近い。いずれにせよ本件遺体は、死因と死体所見が一致せず、現場状況とも適合していない。これらの疑問を解明せず、解剖することなく事件を処理したのは遺憾の極みである」
 と、警察の対応を厳しく批判した。また、本誌もこの事件のレポート
を何度も行なってきたが、事故車のキルスイッチが「OFF」になっていたことやバイクの損傷、現場の不自然さについては、バイクに詳しい読者の皆さんから、貴重な情報や疑問の声を数多く寄せていただいた。
こうして、さまざまな疑問が浮かび上がる中、昨年8月には札幌と大阪を中心に善意の弁護士が集まり、弁護団を結成。道東まで出向いて現場検証や聞き込みなどの徹底調査を開始し、結果的に、わずか3ヶ月あまりで告訴にまでこぎつけたのだ。
 弁護団は、今年1月と6月にも釧路方面本部に出向いて、捜査官らと直接面談。担当捜査員の増員や捜査活動の迅速化を求めた他、検視調査官が死体を検案しながら、なぜ司法解剖にまわさなかったのかを追求。また、実況見分調書など、警察が保管しているすべての記録の開示を要請し続けている。
 母親の木村富士子さん(47)は語る。
「息子の死から5年が経ちましたが、未だに本当の命日すらはっきりしないままです。でも、今私がすべきことは、泣くことではなく、この事件を曖昧に終わらせないように力を尽くすことだと思っています。弁護団の先生方も本当に力を尽くしてくださっています。警察にはぜひ真実を究明していただきたいと願っています」


 署名へのご協力ありがとうございました
Date: 2004-10-23 (Sat)
 いつもお世話になっております。
 今日の日(息子の命日とされていますが、実際には違うと思います)を最後に、息子悟の署名活動を終えます。
 全国の方々からご支援ご協力を頂き本当に有り難うございました。皆様から頂いたメッセージは弁護士の山本先生が配慮して下さり、私の手元に届いております。本当に有り難うございました。

 明日23日、北海道のみで放送されているHBC放送5時の「アンカー」という番組で、息子悟の事件が放送されます。ぜひ見て下さい。
木村富士子


 第一回目の署名提出
Date: 2004-08-04 (Wed)
8月4日(水)12:00〜13:00の間、札幌三越前にて街頭署名を行った後、道警本部へ第一回目分の署名を提出します。




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